日帰り手術(保険診療)
皮膚外科手術
当院では、日帰り手術を行っています。 表面のできものの場合、まずは拡大鏡検査(ダーモスコピー)で診断をつけます。皮膚の中のできものの場合、皮膚エコー検査を行い大まかな場所や大きさ、内容物を確認します。そして症状に応じてなるべくキズが小さく残らないような手術方法を選択していきます。一部のできものを除いて、手術は保険診療の範囲内で行うことができます。また切除したものを顕微鏡検査を行って診断を確定させます。
当院では、メスを用いた切除(切除・縫縮)・ラジオ波メス(サージトロン)・くり抜き法(パンチ)の3つを主に行っています。
- メスを用いた切除(切除・縫縮)
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できものを取る一般的な方法です。
局所麻酔を行った後、皮膚を紡錘形(ラグビーボールのような形)に切除し、できものを取ります。取った後は糸で縫合します。手術した部位にもよりますが、おおむね1週間後に抜糸を行います。
術後赤みのある線になりますが、3~6ヶ月ほどで白っぽい線になっていきます。術後3ヶ月程度は保護をするテープを貼って傷を保護することをお勧めしています。
- ラジオ波メス(サージトロン)
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高周波を用いた器械で、組織を切る効果と止血効果を併せ持っており、周囲の組織へのダメージも最小限に抑えながらできものを削っていくことができるため、皮膚表面のできものの切除に使います。
当院では、顔の小さなほくろ(3~4mm以下)や首イボ(スキンタッグ・アクロコルドン)、脂漏性角化症の切除に使用します。
術後は抗生剤の軟膏とテープを使って保護します。患部は浅い傷になり、おおむね1~2週間程度で傷はふさがります。その後しばらく赤みのある状態が続きますが、3~6ヶ月程度で周囲の皮膚と同じ色になります。
手術後の傷を紫外線に当てると、その部分のの日焼けが目立ちやすくなるため、術後はしっかりとした紫外線へのケアが必要になります。
- くり抜き法
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直径2~6mmの円筒状に皮膚に穴を開ける器械を用いて、皮膚のできものを取ります。
小さな穴を開けるだけですので、傷を最小限に抑えることが可能です。切除した後は整容面への影響を考え、縫合しないこともあります。
紫外線治療
現在紫外線治療は、
- アトピー性皮膚炎
- 乾癬
- 掌蹠膿疱症
- 尋常性白斑
- 円形脱毛症
- 菌状息肉症 皮膚リンパ腫
といった疾患で保険適応があります。他にも難治性手湿疹や痒疹、扁平苔癬、環状肉芽腫などにも効果があります。
当院では症状に応じて、紫外線治療(ナローバンドU V B)治療を積極的に導入しています。従来の塗り薬や飲み薬でなかなか効果がみられなかった方にも効果が期待できますので、ご相談下さい。
紫外線の治療では、
- 皮膚のかゆみを早く抑える
- 症状の改善とともに、塗り薬の総量が減る可能性がある
- 治療効果が持続し、再発の予防になる
といった効果が期待できます。
週2~3回程度照射すると効果が上がりますが、週1回でも効果がみられます。お忙しい方や維持的な目的での2週間に1度の照射も効果的です。
最初は少ない紫外線照射量からスタートし、段々と照射量を上げていきます。照射量を増やしてヒリヒリ感(紅斑反応)が出た場合には、その回の照射は一度治療をお休みし、前回照射量を当てていきます。紫外線治療中も通常の塗り薬や飲み薬による治療を続けていきます。
なお、医療用で用いる紫外線は、紫外線の中でも特定の波長のみを用いるものであり、皮膚がんの発生リスクは上がりません。
日帰り手術の流れ
手術前 | ① 問診・医師による診察 まずは問診を行い、できものができた時期やその後の経過などをお伺いいたします。 できものを観察したり、実際に触ってみることで、できものの状態を診察していきます。 |
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② 詳細な観察・検査 場合によってはダーモスコピー(散乱光を除去する特殊な拡大鏡)を用いて、できものの状態をより詳細に観察します。必要に応じて、採血を行い身体の状態を判断します。 また、悪性か良性かの判断が難しい場合には、できものの一部を採取したり、全部を切除して病理組織検査を行います。病理組織検査により、できものが良性か悪性か判断がついた時点で、その後の治療方針も変わってきます。 |
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③ 手術方法の選択・日程調整 ただレーザーの照射や縫い合わせるだけで治療できるか、皮膚移植や皮弁(皮膚を移動させる)が必要かを決定します。また、可能な限り患者様の都合にあわせて手術日を調整します。 |
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手術当日 | ④ 手術 手術時間は、できものにもよりますが、15~30分を目安とお考えください。 |
⑤ 安静・帰宅 術後は数十分安静にして頂いた後、そのままお帰りいただけます。術後は24時間、院長もしくは副院長がサポート体制をとっています。 |
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手術後 | ⑥ 術後再診・経過観察 抜糸や経過観察を行うために術後、指定日にご来院いただく必要がございます。 また、病理検査の結果報告もさせていただきます。 その後は1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月と傷跡の経過観察を行います。 |
※ 上記は一般的な皮膚腫瘍・皮下腫瘍の日帰り手術の場合を記したものです。
※ 症状・疾患、動かす部位、太子瑠によっては傷あとやケロイドが生じることがあります。
※ 手術に伴う合併症として、出血、感染、疼痛、腫脹があります。
※ 手術当日は、激しい運動、飲酒、サウナや長時間の入浴はお控えください。
※ シャワー浴は手術当日から可能ですが、当日は創部を濡らさないようにしていただきます。